色んなことを知らずに諦めていたり、会得してるのが大人であって、時間は戻らない以上は青春時代の感覚は取り戻せないし、僕はそれが当たり前だと思っています。そしてテクノミュージックと言うのは、無表情に進む凡庸で規則的なリズムにその感覚を重ね合わせることで、かえって発見があったり、自分を省みたりすることができると思っています。
所謂、ミニマムテクノにおける定期的に重ねられていくサウンド的な小さな変化は日常のそれと似ていて、決して何かドラマティックな事が待っていなくてもただ突き進んでいく。そして矛盾にも近い『予定調和的に不協和音が生まれるロングミックス』という手法そのものがもしかしたら人生そのものなんではないでしょうか。ルールがある上での新アプローチや手法、実験的なアクションすべてを巻き込んで音楽的に表現される楽曲たちはいつも無言で語りかけてきます。
メロディーも歌詞も不透明だからこそ、受け手の感じたままに楽しめばいいという実にアーティスティックで興味深い世界なのかもしれないです。
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